肛門科での手術が決まっても、それまでに使用していた軟膏や坐剤、緩下剤(便を軟らかくするクスリ)は使用をやめないでください。少しでも炎症が引いて腫れが少ない方が手術はやりやすくなり、傷も小さくできます。
そして、持病の状態を良くしておくことも大事です。
特に糖尿病の方は傷の治りが悪くなったり、感染に弱くなるので、手術する前にしっかりと血糖コントロールを行い、血糖値が落ち着いてから手術を受けるのが基本です。
血液をサラサラに固めないようにする(抗血栓剤:抗血小板剤や抗凝固剤)クスリを飲んでいる方は一時的に休薬が必要です。傷からの出血が止まりにくくなったり、腰椎麻酔の際に脊椎神経近くの血管を傷つけてしまった時に神経が圧排されるのを防ぐためです。
効能 | 疾患 | |
---|---|---|
抗血小板剤 | 動脈で起こる血栓(血のかたまり)を防ぐ | 狭心症、心筋梗塞、脳梗塞 など |
抗凝固剤 | 不整脈による血栓(血のかたまり)を防ぐ | 人工弁置換術後、心房細動、深部静脈血栓症、肺梗塞 など |
しかし、休薬することによって、心臓血管の合併症が発症する危険性もあり、休薬すべきかどうかの判断や、休薬した場合の再開時期を適切に判断することが重要となります。
手術を受ける際はあらかじめ手術担当の医師と糖尿病、抗血栓剤処方の担当医師にも手術を受けることを連絡し相談が必要です。