2023.12.18
外来にて患者さんの診察後によく聞かれる質問です。今までお話ししてきたように“おしりの病気”は急激に発症する感染性の病気以外は習慣性のものが多く、自分の知らない間に徐々に悪化し、治りにくくなっていくものが多いです。そもそも肛門科関連の病気は一部の肛門がんを除き、悪性腫瘍の病気とは違い、命に係わる病気ではありません。ですから重症か軽症かという区別自体判断がつきにくく、結局はその方がどれだけその状態に対し、ストレスを抱えているのか？嫌なのか？ということにつきます。
おそらく『重症でしょうか？』という質問が『手術が必要なほど悪いでしょうか？』という質問に置き換えられるものとしたら、肛門科の専門外来に来院される方の多くは、市販の薬をしばらく使用したり、近くのお医者さんで軟膏坐剤を処方されても良くならない方が多く、いわゆる重症な方が多いのでしょう。ただ患者サイドの心情から推測すると『手術しなくても大丈夫ですよ』と言ってほしいのでしょうね。
もちろん肛門専門の外科医だからと言って何でもかんでも手術をお勧めしたりはしません。ですが、本編のようにすでに保存的には治らない症状や、一時的な軽快で症状を繰り返す場合には、患者さんが『どこまで嫌なのか？』を良く汲み取る必要があると考えています。
