肛門に栄養を与えている動脈を薬剤やコイルで詰めて(塞栓)血流を悪くして痔核の出血を押さえるという治療をされている医療機関があるようです。血管を詰める医療というのは放射線科先生の範疇で、がんの治療や脳出血などの病態で大いに効果がある術式です。 しかし・・・痔の場合は直腸に栄養を与えている動脈のさらに支流の支流の血管ですから、うまくいってもまた脇道ができるし、手前の支流で詰めたらその血管が養っている領域の腸が虚血(血のめぐりが悪く)になり炎症を起こしてしまうこともあるでしょう。もちろん適応を選べば、『出血性痔核』には良い症例もあると思います。また痔の治療としては確立しておらず保険適応外の手法です。