肛門尖圭(せんけい)コンジローマ
尖圭(せんけい)コンジローマは、性感染症の一種です。
コンジローマの部分が擦れ合うことで感染します。
多くは、尖圭コンジローマの感染している陰茎が肛門に挿入されることで肛門内、肛門周囲の皮膚に感染し、鶏のトサカのような淡紅色~褐色のイボが形成されます。はじめは小さな米粒状ですが、増殖するとカリフラワーのように大きな塊になります。中には悪性化(がん化)するものもあるため、適切な治療と経過観察が必要です。
治療
現在のところ原因となるヒトパピローマウイルスを体内から排除する治療法はなく、電気メスでイボを焼き切る治療や抗がん剤の成分が含まれた軟こうを塗る治療などが行われます。
しかし、これらの治療を行ったとしても体内のウイルスを完全に排除することはできず、再発を繰り返しやすく、増殖しないうちにできた隆起を切除することを繰り返す必要があります。
しこりの小さいものから大きいもの、肛門の外の皮膚だけのものから、肛門の中にまで及ぶものまであります。
- 肛門周囲のみで肛門管内には感染がない場合
→小隆起のみ切除で十分です。 - 肛門周囲のみで肛門管内には感染がないが大きい場合(カリフラワー状の塊形成)→塊を見える範囲で切除します。
- 肛門周囲+肛門管内にも隆起があり感染している場合→肛門の外だけでなく中も切除しないといけません。
いずれも入院手術の場合は、ほかの手術患者様にウィルスが感染しないように病院側も患者様本人も十分な注意が必要です。肛門の専門病院の場合は原則、個室管理(トイレ、風呂を専用)とするべきであり、病院は院内感染防止に努めなければいけません!!
また患者さんが退院後も感染しないよう部屋をすべて完全消毒しなければいけません!!
肛門周囲皮膚にとどまる初期のもの
肛門周囲皮膚の感染が拡がり塊形してるもの
肛門周囲皮膚だけでなく肛門管内にも感染が拡がったもの
肛門周囲ヘルペス(帯状疱疹)
肛門の周りの皮膚が荒れ湿疹ができてピリピリした痛みを生じます!
ひどくなると神経痛が長引いてしまうこともあります。
前から潜伏感染していた『水痘・帯状疱疹ウィルス』が身体の免疫が下がってくるとまた活発になり発症するものです。もちろん、肛門周囲だけに起きるものではなく身体のどこにもできます。
治療は、ヘルペスウィルスを治す内服や注射のクスリです。