便秘について

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寺田 俊明 Toshiaki Terada

寺田 俊明Toshiaki Terada

  • 理事長
  • 院長
  • 大腸肛門病センター長

寺田病院HP:
https://terada-hospital.or.jp/

何日便が出なかったら『便秘』というのでしょうか?
実は・・・何日という条件では『便秘』は定義されていません。
毎日便が出ていても、すっきりしない、残便感ある、なんて方は便秘であり、2日に一度でもすっきり便が出ている方は便秘ではないといえるのです。
外来に来院される患者さんに、『ただの便秘』という言葉を使う方がよくいます。
便秘『ただの便秘』?
おそらく、、、腸の病気とかないのに便が出にくい、出ないということを言いたいのでしょう。

本当に『ただの便秘』ですか?というと
大腸の検査などはしていない方が多いのも事実です。
腸の病気がある場合とそうでない場合をきちんと調べておかないと『ただの便秘』とは言えないですよね?
実際に

  • 腸内に何らかの形態的異常(腫瘍や炎症)があって便が出ない便秘を『器質性便秘』
  • 腸内には異常がないけれど、腸の動きなどに異常がある便秘を『機能性便秘』

といいます。

日本消化器病学会が定めるガイドラインでは
“本来体外に排出すべき便を十分量かつ快適に排出できない状態”と定義され、その状態が6か月以上前から生じ、少なくとも最近3か月間はその状態が続いていることを“慢性便秘症”としています。

『器質性便秘』の原因で一番怖いののは『大腸がん』ですよね?
これについては次の第8章でお話します。

『機能性便秘』の原因は、簡単にいえば大腸の中で、便がスムーズに運ぶ流れが悪くなっている。ということです。歳を重ねだんだん、腸の動きが悪くなってくるのは、だんだん足腰がよわくなってくるのも同じですからね。仕方ないです。
ただ・・・・運動不足など生活習慣によるものや、飲んでいる薬の副作用によるもの(薬剤性便秘)、糖尿病やうつ病などの持病(症候性便秘)によるものも考えられます。
また、食物繊維の摂取不足によって便が流れにくくなっていることもあります。

『器質性便秘』はまずその病気を治すことが大事です。
『機能性便秘』に関しては、自分がなぜ便秘になるのか、、、、『便秘の専門の先生』や『胃腸科の先生』に相談して自分の便秘のタイプを知ることから始めなきゃいけません!
もっとも、便秘薬という言い方がそもそも悪いですよね。
便秘になってから治すというふうに考えちゃいますから。
もちろん、普段便秘でない方が急に便秘になって便秘薬使用したり、普段から気を付けてる方でも薬の効きが悪くて便が溜まってしまったら仕方ないですよ。

虫歯でも、『虫歯』になってから歯を磨きますか?
『虫歯』にならないように毎日、歯を磨くのが普通ですよね?

便秘も同じような考え方で行きましょうよ!
『機能性便秘』の場合、中でも腸の動きが年齢のせいで悪くなってきたのであれば、人間は若返ったりはしないのですから『腸の動きをよくするクスリ』で腸をちゃんと動かしてやればいいのです。

では、『便秘の専門の先生』なんてどこにいるの?
『私の腸の動きをよくするクスリ』って何?ということに関しては、家のお近くの『排便機能障害外来』を設けている病院に相談するとよいでしょう。