血管外科(下肢静脈瘤)

下肢静脈瘤

当院のレーザーは、最新の保険レーザー(ELVeS 1470nmレーザー)を使用しています。手術後の痛みや内出血がほとんどなく、両下肢同時の治療が可能です。
他に、日帰り手術や短期入院手術も対応しています。
※但し、患者様の状況により、異なりますので、担当医師にご相談ください。


下肢静脈瘤について

受付時間のご案内

  • 血管外科は午前中の診察となり、受付時間は11:30までとなります。
  • 予約制ではございません。(再診の方は予約制です)

下肢静脈瘤診断

  • 足がだるい・重い
  • 足が疲れやすい
  • 足がつる
  • 足がむくむ
  • 足がほてる
  • 足がかゆい
  • 足の湿疹が治らない
  • 長時間の立ち仕事(調理師、美容師、教師、販売、警備など)に従事している
  • 血縁に静脈瘤の親、兄弟がいる
  • 出産経験が多い
  • 妊娠中で青い血管がだんだん浮き上がってきた

※ 3つ以上当てはまった方は、下肢静脈瘤かもしれません。一度専門医にご相談下さい。

下肢静脈瘤の原因

下肢静脈瘤は、ふくらはぎの血管がボコボコふくれてくることが多いのですが、このボコボコの原因は、実はあしの付け根から始まる、太ももの内側に隠れている血管(大伏在静脈:だいふくざいじょうみゃく)が原因です。

動画はこちら

下肢静脈瘤ができるまでの流れ

1

正常な静脈は、図のように心臓に向かって "下から上へ" 流れていきます。 静脈には、所々に上から下へ逆流しないように "逆流防止弁" が備わっています。 太ももの内側を走行する静脈は筋膜の下に隠れているため外からは分かりません。

2

この逆流防止弁が壊れることにより、心臓に戻っていくはずの血液が徐々に逆流し始めます。

3

太ももの内側にある表在静脈(大伏在静脈:だいふくざいじょうみゃく)の逆流防止弁がすべて壊れてしまうと、血液の逆流がふくらはぎに到達し、血管がボコボコ膨らみ始めます。

下肢静脈瘤で処方される漢方

漢方といえば、風邪を引いたときに飲む葛根湯(かっこんとう)が有名です。
それ以外にも、更年期障害や冷え性、むくみや胃もたれなど、西洋医学ではなかなか治りにくい様々な症状に漢方薬は力を発揮することがあります。

それでは、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)に漢方薬は効くのでしょうか??

意外と知られていませんが、下肢静脈瘤のむくむ・だるいといった不快な症状に漢方が効くことがあります。もちろん、一度壊れてしまった静脈自体が漢方薬で元に戻ることはありません。あくまでも、静脈瘤が原因で起きている、静脈うっ滞症状(むくむ、だるい)の改善がされます。

きちんと治すためには、レーザー治療やストリッピング治療が必要ですが、手術が怖い、忙しくて手術を受ける時間がない、だけど足がむくんだり、だるくて仕方がないから何とかしてくれといった患者さんは漢方薬の服用をお勧めする場合もございます。

下肢静脈瘤に効く漢方薬


画像提供:株式会社ツムラ

漢方薬は、草の根や木の皮などの様々な天然物(生薬:しょうやく)を組み合わせてできています。桂枝茯苓丸に含まれる桂皮は、 欧米で香料として使われるシナモンと同属種の樹皮です。

この薬は、主に血の巡りを良くしてむくみやうっ血を取り除くことで、頭痛、肩こり、めまい、のぼせ、足の冷えなどや、月経異常のある婦人に効くとされています。

下肢静脈瘤によるあしのだるさや、むくみは静脈のうっ血が原因ですから、桂枝茯苓丸によりうっ血が改善することで足の症状が和らぐのではないかと考えられています。

桂枝茯苓丸:けいしぶくりょうがん


画像提供:株式会社ツムラ

特に、女性に対して有効であることが示されており、下肢静脈瘤の女性患者の約7割に効果があったと報告されています。また、大変興味深いことに、写真のような細かい静脈瘤(クモの巣状静脈瘤)がうすくなる事例もございます。


クモの巣状静脈瘤

また漢方薬の面白い点は、飲み始めてみると、足のだるさ以外にも、肩のこりが良くなったり、お通じ(便通)がよくなったり、何となく体が軽くなったなど、足以外の身体の調子がよくなることがしばしば経験されることです。そのため、静脈瘤の手術が終わって静脈瘤がなくなったにもかかわらず、内服の継続を希望される患者さんも多くいらっしゃいます。

費用面から、長期にわたって内服を継続される方もいらっしゃいます。あしのだるさやむくみで悩んでおられる方は、是非一度試しに飲んでみることをおすすめします。

弾性ストッキングのススメ

下肢静脈瘤の治療の際に、医療用の弾性ストッキングをおススメしています。
では、なぜ、下肢静脈瘤に弾性ストッキングをおススメしているかといいますと、前述しました通り、下肢静脈瘤の原因は、静脈の中にある弁が壊れるとおこる症状です。
弁が壊れた事で、血液が心臓にもどる力が弱くなっていますので、その弱まった力を弾性ストッキングが補助します。
その結果、足のむくみや、足のだるさが取れ、下肢静脈瘤の症状を緩和してくれるのです。
また、下肢静脈瘤の手術した後には、再発の予防として使用をおススメしています。

病院を受診する以前に、薬局などで圧迫ストッキングを購入されていることが多いと思います。薬局の店頭やインターネット上には、様々な種類のストッキングがあふれていますが、病院で取り扱っている弾性ストッキングとはどこが異なるのでしょうか?

実は、病院で処方される(医療用)弾性ストッキングと薬局やドラッグストアなどで市販されているストッキングは全く異なるものです。

医療用 市販品
圧迫圧 20~30㎜Hg(27~40hPa)以上を推奨
保存的及び術後の使用に必要な圧迫圧
15㎜Hg(20hPa)以下がほとんど
治療には不十分な圧迫圧
かかと あり
かかとが有ることにより、弾性ストッキングの使用に重要な足首の位置が合わせられるので、適切な圧迫圧が得られる。
なし
かかとが無いので足首の位置がずれる可能性があり、適切な圧迫圧がかかりにくい。
サイズ 足首を優先的に計測する
適切な圧迫圧を得るため、商品それぞれのサイズ表に従い、サイズを決める。
細かな規定なし
医師または看護師が形(タイプ)を選択する。 自分の感覚で決めている

医療用の弾性ストッキングは、薬局などで販売されているサポートタイプのストキングと比較すると、高度の圧迫圧、安定した圧迫圧を必要とするための特別な編み方(横糸が入っています)がされています。そして、医療用の弾性ストッキングは足首の圧迫圧が一番強く、太ももに向かって圧迫圧が弱くなるように段階的圧迫で作られています。静脈血やリンパ液を心臓方向へ流れやすくするためです。
具体的には、圧迫圧勾配はおおよそ足首:ふくらはぎ:太ももが10:7:4となっています。表に示したように、薬局で売られているものは、圧迫圧が低めに設定されており、かかとがなく、自分に合ったサイズを選びにくいといった欠点があります。
下肢静脈瘤によるうっ血症状(足が重い、だるい、痛い、むくむ)に対して、医療用の弾性ストッキングは、静脈還流を改善させ、症状をやわらげる方法として非常に有効です。下肢静脈瘤の硬化療法後や、手術(ストリッピング術、レーザー焼灼術)後にも使用します。
医療用弾性ストッキングには様々なタイプや圧迫圧のものがあるため、患者さんご自身が選んで使用すると、かえって症状を悪化させてしまう可能性がありますので、医師・看護師の指導の下に患者さんに合った適切な商品を選択しなければなりません。
静脈瘤をお持ちの方はもちろん、立ち仕事の方、むくみやだるさに悩んでおられる方は、是非(医療用)弾性ストッキングの着用をオススメします。

下肢静脈瘤の専門サイト

ちょっと、待って!そのムクミ、下肢静脈瘤の始まりかも…
常に足が重い、ムクミ、痛い等の違和感や血管ボコボコと浮き出ていたりしたら、まずは医師に相談してください。その症状は下肢静脈瘤かもしれません。こちらは下肢静脈瘤の専門サイトです。日帰り可能な手術で下肢静脈瘤を治しましょう。

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