胃ポリープとは
胃ポリープとは、胃の粘膜に発生する良性の突出した(隆起性)病変です。
一般的に胃カメラでよく目にする胃ポリープとしては、過形成性ポリープ、胃底腺ポリープがあります。またがん化する可能性のある胃腺腫、胃の粘膜の下に腫瘍ができ粘膜が盛り上がったようにみえる粘膜下腫瘍も胃ポリープです。
胃ポリープの種類
過形成性ポリープ
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染した萎縮性胃炎を呈している胃に多くみられるポリープです。過形成性ポリープを認めた場合には、注意深く胃内の他部位に胃がんや腺腫がないか観察する必要があります。過形成性ポリープは多くは10mm以内の大きさですが、まれに大きくなるとがん化したり、出血を起こしたりすることもあります。
胃底腺ポリープ
大きさは5mm前後で、胃粘膜中の胃底腺が隆起してできたものなので、胃粘膜と同じ色調を呈します。多発することが多いですが、がん化の可能性のないポリープです。
胃腺腫
胃粘膜の萎縮、腸上皮化生(胃の粘膜が腸の上皮に置き換わる現象)を認める胃でみられることが多く、大きくなるとがん化することがあります。生検(組織を一部採取して病理で検査すること)による悪性の有無を調べ、必要な場合には切除治療が行われます。
検診で胃ポリープを指摘されたら
胃ポリープは基本的に心配するような病気ではありませんが、発見された場合は定期的に胃カメラを施行しポリープの大きさと粘膜変化を確認することが重要です。
胃ポリープの症状
胃ポリープには特に症状はありません。検診の胃X線透視検査(胃バリウム検査)で偶然みつかる場合が多いです。その場合胃カメラによる確認が必要になります。
まれに大きく育った過形成性ポリープが出血を起こしたり、胃の出口(幽門)付近にて食事の流れに影響を及ぼし、膨満感を訴えるケースもあります。
胃ポリープの検査・診断方法
胃X線透視検査(胃バリウム検査)
胃の表面の凹凸の状態を観察しポリープの有無を診ます。
胃カメラ
口や鼻から内視鏡(胃カメラ)を挿入して、胃内を観察します。ポリープの大きさや、粘膜変化、色調でポリープの種類を判断します。さらに、生検(組織を一部採取して病理で検査すること)によって悪性の有無を確認します。
胃ポリープの治療法
過形成性ポリープ
基本的には経過観察でよい病変です。ただし、大きさが20mm以上であり、出血を起こしているものや経過観察の中で大きく成長してくるものは、がん化を疑い内視鏡的(胃カメラ)切除治療を行うこともあります。
胃底腺ポリープ
治療は原則的には不要。
胃腺腫
定期的には経過観察をし、大きさが20mm以上であり、出血を起こしているものや経過観察の中で大きく成長してくるものは、がん化を疑い内視鏡的(胃カメラ)切除治療を行うこともあります。胃腺腫の切除治療は胃カメラで内視鏡下切除を行います。大きさの広がり、形態によって内視鏡的粘膜切除術(EMR)もしくは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で切除を行います。