機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは

病気は「器質的異常」なものと「機能的異常」なものとにより症状が起こる2種類があります。どういうことかというと
工場でも機械が壊れれば生産性が下がります⇒つまり明らかな病気の原因がるものを「器質的異常」といい、機械が古くなったり、社員が怠けてしまったりすると生産性の悪さ⇒明らかな病気がないのに症状がでる「機能的異常」に分けられます。
つまり「機能性ディスペプシア」とは明らかな病気が胃内には見当たらないのに胃痛や胃もたれ、食欲不振などの症状が慢性的に起きてしまう症状の総称です。

機能性ディスペプシアの原因

機能が悪くなる原因はストレスなどの心因的な胃への負担が慢性的にある場合や年齢的な胃の疲れなどと言われていますが、実ははっきりとした原因はまだわかっていません。胃の中での消化が悪くなり、消化されたものを次の臓器である十二指腸に送り出す運動が弱まることで症状が起きやすくなることがわかっています。

機能性ディスペプシアの症状

いわゆる「胃痛」や「胃もたれ」が症状として多いです。食べたものがいつまでも胃のなかにあって消化されていないような感じと訴える方も多いです。もともと脂っこい食事や暴飲暴食の後には起きやすい症状ですが「機能性ディスペプシア」の方はそのような食事をしていないのに症状が頻繁に起きてしまいます。

検査

基本「機能的異常」を目で見ることはできません。ですから前述のような症状があり「胃カメラ」で「器質的な異常がない」方を「機能性ディスペプシア」と診断します。胃潰瘍や胃がんでも同様な症状を起こすわけですから「胃カメラ」をしないで症状だけで診断することはできませんし、危険です。

胃カメラ検査について

機能性ディスペプシアの治療

いわゆる「胃の薬」には

  1. 胃の粘膜を防御する
  2. 胃酸を抑える
  3. 消化を助ける
  4. 十二指腸に流しやすくする

があります。この①~④の薬を症状応じて処方します。しかし前述のように心因的なストレス等が誘因の場合は、仕事を休んだりしたり、好きなことをやって気持ちをリラックスさせることも重要ですし、規則正しい生活を送ることも大切です。食事も食べ過ぎない、よく噛んで飲み込む、食後にゆっくりするといったようなことも心がけましょう。また、心を和らげる薬(抗不安薬、抗うつ約)が症状の改善に有効なことも多いです。心因的な自律神経の乱れは改善するには、またその他に、ピロリ菌感染が陽性の場合はピロリ菌の除去治療も必要です。

ピロリ菌について

機能性ディスペプシアは治る病気?

「治らない病気」ではありませんが、症状が持続しても「命に係わる病気」でもありません。治らない、治らないと心配し、気に病むことも症状誘因の1つです。気持ちをリラックスしてのんびり治療することも大事です。