便秘

便秘とは

便秘とは「大便の排泄が困難になっている状態の総称」や「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」のことを一般的に指します。しかし、主観的な訴えでしかなく、毎日排便していてもすっきりしないと感じている人もいれば、3日に1度の排便で何の問題もなく快便と感じている人もいます。すなわち「便秘」に定義はなく、。また「便秘」という医学用語もありません。
一方、便秘症とは“上記の状態の持続により「医療が必要となるほどの症状が出現した状態」です。
日本では国民の約30%がその便秘症にかかっていると考えられていて、まさに国民病とも言えます。

便秘の種類

器質的便秘と機能的便秘に大別されます。

器質的便秘

大腸内に便秘を引き起こす原因の病気がある便秘。腸内が狭くなり便の通過ができない、もしくは通過しにくくなっている状態です。進行した大腸がんや炎症性腸疾患の炎症による狭窄、また腹部手術後の癒着でも起きます。

機能的便秘

大腸内に便秘を引き起こす原因の病気がないにもかかわらず、腸の動きやはたらきが悪いためにおこる便秘でストレスと関わりが深く、自律神経系の乱れが関与していると言われています。また糖尿病や甲状腺機能の問題から症候性に腸の動きが悪くなる症候性便秘や抗うつ剤のような精神安定剤にて腸を動かす自律神経の働きが低下し起こる薬剤性の便秘もこれに当てはまります。

便秘を生じやすい消化器疾患

進行大腸がん、便秘型過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、直腸脱、直腸瘤、骨盤臓器脱などが関係しています。また痔核や直腸粘膜脱の増悪から脱肛症状を呈してくると、直腸内に溜まった便を一度に排出しにくくなります。

検査・治療

検査・治療まずは器質的な異常が大腸内にないかどうかを大腸カメラによって調べることが重要です。「たかが便秘、ただの便秘と思っていたら大腸がんであった!」なんてことがないように定期的に大腸することは大事です。
大腸がんなどの器質的狭窄病変がないことが明らかになったら、機能性便秘を含めた「便秘」の原因を探っていくことになります。
排便の回数や排便の量そのものが少ないタイプの便秘を「排便回数減少型便秘」
回数や排便量は問題ないにも関わらず、快適な排便ができないため、排便困難や残便感を感じる「排便困難型便秘」といいます。
治療はそれぞれの便秘のタイプによって違います。
器質的な便秘すなわち腸内病気が原因で狭窄病変がある場合はその治療が行われます。すなわち「大腸がん」によって起こされている便秘は「大腸がんの手術」をする必要があります。機能的便秘の場合は腸の動きをよくする治療です。腸の動きが悪い場合は腸の動きをよくするための薬のナイフや、食事、適度な運動も必要です。また腸の動きを悪くしている薬の中止や疾患の治療も必要です。
重要なことは「便秘薬」「下剤」「浣腸」を使用し、便秘になってから何とかしようというのは基本便秘の治療ではありません。便秘の治療は「便秘にならないようにする」治療が基本なのです。
とはいえ、便が詰まった状態は大変つらいものです。
上記の治療を施行しても便秘が続く場合、便秘の治療に行き詰ってしまっている場合は「排便機能」を専門に治療してくれる外来がありますので相談してみましょう。

大腸カメラ検査について

便秘が続くときは、「排便機能専門外来」へ

便秘症状が持続する場合は消化器疾患を発症している病気からの合図かもしれません。市販の便秘薬で何とか便を出している生活をしていると手遅れになってしまう病気もあります。適切な治療を受けることで余計な心配をせずに便秘の知慮に専念できます。
当院は全国的にも数が少ない専門医による「排便機能専門外来」を設置しております。
排便機能外来では,「過敏性腸症候群」・「慢性便秘」・「慢性下痢」・「便失禁」などの排便障害に悩む患者さんを専門的に診療します.
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