『胃カメラ検査』はつらい検査ではありません
日本人に多い胃がん。
早期発見のためには、定期的に『胃カメラ検査』を受診しておきたいところです。
しかし、『胃カメラ検査』はつらいので嫌だと思っている方が多いのではないでしょうか?
『胃カメラ検査』をつらいと感じてしまう大きな原因は、「嘔吐反射」です。
たとえば、のどに指を入れると「オエ~」となりますよね。あれが「嘔吐反射」です。
この「嘔吐反射」は、異物がのどを通ろうとするのを防ぐ反射で、とても大切なものですが、これが『胃カメラ検査』のときには厄介になります。
胃カメラも当然、身体にとっては異物なので、身体が胃カメラを吐き出そうとしてしまうのです。
そのため、『胃カメラ検査』がつらい検査となってしまいます。
その「嘔吐反射」の軽減を目指し、少しでも楽にできるような検査として鼻から胃カメラ検査を行う『経鼻内視鏡検査』があります。
鼻からの内視鏡は、口からの内視鏡よりも細く、また、挿入経路でのどの奥を圧迫することが少ないため、「嘔吐反射」が少ないので楽にできると言われています。
しかしながら、経鼻内視鏡の画質は経口内視鏡よりやや劣り、拡大して見ることができないことから、病変の見落としにつながることも否定はできません。
また、『経鼻内視鏡検査』でも「鼻からでもオエッとなる嘔吐反射が辛かった」「鼻がとても痛かった」「鼻血がすごく出た」と話されることは決して少なくありません。
では、どうすれば楽にできるのか?
そこで、当院では、『鎮静剤使用下での胃カメラ検査』を行っています。
この方法では、静脈から麻酔(鎮静剤)を投与しますので、眠ったままの状態で検査が受けられます。
眠ったままの状態ですので、「嘔吐反射」もなく、苦痛なく楽に『胃カメラ検査』を受けることが出来るのです。
当院の『鎮静剤使用下での胃カメラ検査』後アンケートでは9割以上の方に「楽だった」とおっしゃっていただいています。
(アンケート集計期間:2023年4月~2024年1月)
鎮静剤を使用するにあたっては、脈拍や酸素飽和度など全身状態を、生体機能モニターを使用して細かく患者さんの体の状態を把握しています。
また、どんな状況にも対応できるように全スタッフが数多くの検査件数を通してトレーニングを積み、安全面にも細心の注意を払っております。
鎮静剤の効き方には個人差がありますので、患者様の様態に合わせて鎮静剤の量も調整します。
鎮静剤の効果で全身がリラックスした状態になるため、消化管の運動も抑制され、医師も十分に胃の中を観察できるようになります。結果として検査時間は短時間でより正確な検査が可能となります。
良いことばかりの『鎮静剤使用下での胃カメラ検査』ですが、注意点もありますので、最後に記載しておきます。
【鎮静剤使用時の注意点】
・検査後はお車やバイク・自転車等の運転はできません
鎮静剤の影響により、検査後はしばらくぼーっとした状態が続きます。
そのため、安全性を考慮し当日の車やバイク、自転車等の乗り物は厳禁です。
来院される際は公共交通機関を利用するか、ご家族の方に送迎をお願いしてください。
・検査後に休んでいただく時間が必要です
検査後は十分に鎮静剤が覚めるまで院内でお休みいただいております。
検査後、回復室で30分~1時間ほどお休みいただくことになりますので、余裕を持ってご来院ください。
初めて内視鏡検査を受ける方、胃カメラ検査で辛い思いをしてトラウマがある方など。
ぜひ、当院での『鎮静剤使用下での胃カメラ検査』を受診してみてください。