『ギャンブル依存』について考える
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今、なにかと話題の『ギャンブル依存』について考えてみます。
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「ギャンブル」を日本語にすると「賭博」です。
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「賭博」というと、時代劇のサイコロを振って「丁か?半か?」なんという風景が浮かび、あまり関係のない話のように感じますが、実は、競馬、競艇、スロット、パチンコなども「賭博」の1つです。
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そう考えると、皆さんの中にも「ギャンブル=賭博」をしている方も多いのではないでしょうか?
私も競馬をたまにやります。
でもそれは趣味程度にやっているだけで、ギャンブル依存か?と言うとそうではないです。
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では、趣味の「ギャンブル」と、『ギャンブル依存』とはどのような違いがあるのでしょうか?
『依存』とは、「身体的・精神的・社会的に自分の不利益となっているにもかかわらず、それをやめられずに反復し続けている状態のこと」を言います。
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すなわち『ギャンブル依存』とは「自分で制御できないほど賭博にのめり込み、経済的、社会的、および精神的に支障をきたす状態」のことと一般的に言われています。
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もしご自身が趣味だと思ってやっているパチンコ等も、生活に支障が出てきているのであれば、それは『ギャンブル依存』の可能性があるということになります。
ちょっと心配になってきた方もいらっしゃいますか?
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※『ギャンブル依存』の診断基準を用いて信頼性や妥当性が検証されている「SOGS(South Oaks Gambling Screen)試験1)2)」)
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- 「SOGS試験」は16項目からなる質問により構成されています。 最初の3項目はギャンブルの使用経験と使用開始年齢、掛け金の額に関する質問で点数としてはカウントされません。
- 実際に点数計算を行うのは4項目以降になりますので、お時間の無い方は、4項目以降にお答えください。
いかがだったでしょうか?
合計得点が3~4 点は問題のあるギャンブル使用、5 点以上だと『ギャンブル依存』の疑いがあると評価されます。
ただし、この「SOGS試験」は『ギャンブル依存』の疑いのない一般人を対象とした調査で偽陽性が24%あったという報告もありますので、この検査のみで判断するのは注意が必要です。
もし、この検査で高得点であって、ご自身で心配な方は、専門の医療機関受診をお勧めします。
各県の精神保健福祉センターでも相談窓口を設置しているところもありますので、一人で悩まず相談してみてください。
1) Lesieur HR, Blume SB:The South Oaks Gambling Screen(SOGS):a new instrument for the identification
of pathological gamblers. Am J Psychiatry 144:1184-1188, 1987
2) Lesieur HR, Blume SB:Revising the South Oaks Gambling Screen in different settings. J Gambl Stud
9:213-223, 1993