「痔」とは
そもそも『痔』とは?肛門の病気の総称です。ですから
みなさんご存じの『いぼ痔』 も 『切れ痔』も・・・痔ですし
肛門のかぶれによるかゆみも・・・ 肛門の腫瘍も・・・『痔』です!
でも 代表的な『痔』と言えば・・・・
やはり 『いぼ痔』・・・・・・・・・・・・・・・・痔核(じかく)
『切れ痔』『裂け痔』・・・・・・・・裂肛(れっこう)
『あな痔』『穴痔』・・・・・・・・・・・痔瘻(じろう)
です。
この3つの『痔』で肛門科に来院する患者さんの99%を占めます。
肛門のしくみ
口は食事の『入り口』肛門はその食事が消化されたあとの排せつ物の『出口』です
ですから『入り口』と『出口』同じような構造をしています
『喉元過ぎると熱さ忘れる』という言葉があります
熱い おでん を口の中入れると熱くて大変ですよね
でも飲み込んでしまうと熱さはなくなります。
すなわち『口の中』=『肛門のちょい奥(肛門上皮部)』と
『くちびる』=『肛門のまわり』は熱さや痛さを感じ取る敏感な部分
ですが
『喉元過ぎて、食道に入る』=『直腸部分』
は熱さや痛さを感じ取る神経は無い部分なのです。
人間の体のつくり面白いですね! 『入り口』と『出口』同じようにできています!
この、喉元の部分が おしりだと『歯状線(しじょうせん)』という部分になります。
『直腸』と『肛門』の境目です。
肛門の発生
肛門はどのようにしてできたのでしょうか?
赤ちゃんが、お母さんのおなかにできたての時は、おしりの皮膚にくぼみがあるだけでまだ肛門はありません。
だんだん成長するにつれて徐々にそのくぼみが、深くなってきて、同時に上からは腸が徐々に下がっていきます。そして胎生7~8週(妊娠2か月)でドッキングしてお尻に肛門が形成されます。
このドッキングがうまくいかないで生まれてきてしまう赤ちゃんの病気を『鎖肛』といいます。出生した赤ちゃんの数千人に1人くらいの割合で発生します。
直腸と肛門のドッキングした この 『でこぼこしたつなぎ目』部分が 『歯状線(しじょうせん)』です
歯状線(しじょうせん)
もうちょっとだけ『歯状線』をわかりやすく言うと
子供が折り紙と折り紙を、のりでくっつけた境目の部分と考えてみてください。
『歯状線(しじょうせん)』=『折り紙の のりしろのつなぎ目』の部分です。
この歯状線を境に 上が『直腸』 で 下が『肛門上皮』 『肛門皮膚』です。
先ほどお話ししたように『直腸』=『喉元』を過ぎた部分で痛みがない
『肛門上皮』 『肛門皮膚』 = 『口の中』や『くちびる』部分ですから 痛みに敏感
という感覚の違いが生まれるのです。